2012年7月7日土曜日

紙のエニグマ暗号機


ペーパー・エニグマ暗号機

この「ペーパー・エニグマ暗号機」は「Enigma 暗号機」が文字を暗号化するプロセスや、暗号化された文字列から原文を復元するプロセスを体験できます。 これを知ったのは「Make:Japanブログ」の記事からです。

今回は「なんだか面白そうなので作ってみました + 体験レポート」です。


作り方

必要な材料は、「ペーパー・エニグマ暗号機」の PDF を印刷したもの、ハサミ、両面テープ、巻きつける紙筒、それに根気と忍耐。

さて、材料の「巻きつける筒」ですが原文では a crisp tube と書かれています。これを google 翻訳で調べると「鮮明なチューブ」だったり、bing 翻訳では「カリカリの管」といった結果で、結局のところ意味不明な物体に巻きつけることになります。

この不思議な物体 a crisp tube を調べてみると、どうやら「髭のおじさんの絵が描いてある、ポテトスナック菓子の紙筒」のことらしいです。なるほど… そう言われると「カリカリ(バリバリ)」する物が入っている「チューブ(筒)」ですね。XD

ブログ記事内のリンク「Franklin Heath Ltd」の wiki ページに組み立て方と使用方法の解説が書かれています。この解説を読みながら操作していくと理解が深まります。
http://wiki.franklinheath.co.uk/index.php/Enigma/Paper_Enigma

  1. ページ内の Materials Needed セクションに PDF ファイルのリンクがあるので、ダウンロードして A4 用紙 2 枚に印刷します。

    印刷時の注意点は、 拡大縮小 フィットページ 等のオプションを必ず OFF にして印刷することです。 そうしないと寸法が変わってしまい、うまく巻きつけることができなくなります。

  2. 印刷後ハサミで切り取り、あの カリカリの管 に巻いてテープで貼るだけです。

    今回は残念ながら手元に カリカリの管が 無かったので、工作用紙を筒状に丸めて作りました。


使い方

完成後は wiki ページの解説に沿って操作しながら学習します。セクションごとに練習用の暗号メッセージが書かれているので、「ペーパー・エニグマ」を操作して解読していきます。

実は、この「ペーパー・エニグマ」はローターの配線図そのもののようです。そのため、暗号解読というよりも暗号機の内部信号の流れを追いかけるような感じです。根気良く一文字変換ごとにローターを回転させて、「 INPUT 」から「 OUTPUT 」への配線をたどります。

セクション Rotor Turnover Double Stepping の解説に書かれているように、ローターのグレーラインの文字部分が一回転した時は、左隣のローターを一文字ぶん回転させる必要があります、また 3 つ同時のときは、さらに複雑です。しかし、これを忘れると解読に失敗するので注意してください。

本物のエニグマが電気的に動作している部分でも、この「ペーパー・エニグマ」ではすべてが手動操作になります。そこで配線を追いかけることばかりに気を取られてしまい、うっかりするとローターの回転を忘れたりします。実は私も操作中に手順を間違えて、わけが分からなくなってしまいました。

さらに解説に沿って進めていくと、「ペーパー・エニグマ」の操作が段々と複雑になってきます。そんな時は Web 版のエニグマ・シミュレータ 「 Enigma Machine Simulator 」を併用すると操作の失敗が無く確実です。「 Enigma Machine Simulator 」で一文字ずつ確認しながら、同時に「ペーパー・エニグマ」を操作していきます。

このシミュレータを併用するとエニグマの動作がとても解りやすくなります。でも面倒になって「Enigma Machine Simulator」だけで済ましてはいけませんよ。この学習では「ペーパー・エニグマ」を使うことに意味があります。

そしてこの後も、 Ring Settings セクション、そして The Plug Board セクションと忍耐強く進めていきます。

最後のセクションまで進めば、エニグマ暗号機への理解が深まることでしょう。



感想

Enigma 暗号機の「文字入力スイッチ」と「表示ランプ」の間を結ぶ内部の仕組みでは、 ローター による文字の変換や リング のオフセットによる文字位置の変更、 プラグボード を使った入力スイッチの入れ替え等の複雑な変換の仕組みによって、この暗号化のプロセスが構築されていることが今回の体験でよくわかりました。

先日の Google トップページでは「アラン・チューリング 生誕 100 周年」のロゴが表示されていました。今までは「アラン・チューリング」=「チューリング・マシン」という程度しか知りませんでしたが、今回、彼がエニグマ暗号解読機 bombe を開発したことを知りました。しかも、それはまだコンピュータが現れる以前のことです。

また、映画「エニグマ」の制作者がローリング・ストーンズのミックジャガーだったことも今回知りました。実際の映画に使われていた Enigma は彼のコレクションだとか。そして、改めて DVD を見てみると、彼がダンスのシーンの中で、テーブルに座っている役で一瞬だけ出演しているのを確認できました。

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