iPodのボタンのクリック感が無くなった
「あれっ?クリック感が無い」、ことのはじまりはスリープボタンを押したときの感触の変化でした。
数日後「ボタンがへこんだまま戻らない」、まだこのときはボタンを強く押せば動作していました。
ところが次の日「ボタンを押しても反応しなくなった」「こまった! 修理せねば」となりました。
iPodの修理情報を収集
- TAJIMANIA Blog::iPod nano 6G スリープボタンの故障解析
- 6th iPod nanoのスリープボタンを修理する。
- iPod Nano 6th Generation Teardown - iFixit
作業開始
先人の皆さんの情報を元に、分解していきます。
スリープボタン部分を分解すると、「黒い小さなポッチ」の位置がずれていました。見たところ、この「黒い小さなポッチ」がタクタイルスイッチのプランジャーの役割をしているようです。
タクタイルスイッチはプランジャーが円形板バネの中央部を押すと円形板バネが反転し、クリック感と接点の導通が確保される構造と思われます。そのため、プランジャーの押す位置が円形板バネの中央からずれてしまうと、円形板バネがうまく反転しなくなり接点が導通できなくなると考えられます。
一般的なタクタイルスイッチでは、スイッチの筐体が位置ガイドになってプランジャの位置がずれない構造になっているのですが、このiPodの場合は小さな本体に収めるための苦肉の策なのでしょうか、かなり強引な構造設計のように感じます。
スイッチの動作を回復するべく「黒い小さなポッチ」を両面テープで貼り付けてみました。ところが組み立てるときに位置がずれてしまうようでうまくいきませんでした。下の写真は両面テープが「ずれたり」「丸まったり」の試行錯誤中のときのものです。
数回の試行錯誤の結果、接着剤を使って「黒い小さなポッチ」を円形板バネの中央に固定する方法でうまくいきました。
使用した接着剤は「ロックタイトDPL-030」、ほんの少し粘度があるものです。接着剤が円形板バネの接点の中に入ると手の施しようが無くなってしまうので注意してください。スイッチの接点部では粘度の低いさらさらの瞬間接着剤の使用は避けましょう。
修理完了
スリープボタンの動作とクリック感が戻りました。先人の皆さんに感謝!