に続いて、WSMLアンテナのアンテナ・アンプ・ユニットを作りました。
アンテナ・アンプへの電源供給方法は同軸重畳です。この部分に前回製作した DC 重畳ユニットを使います。 トランジスタは手持ち品の PN2222A の中から hFE を選別して値を揃えたものを使用しました。 出力トランスは FT50-#77 の 5 回巻きを使っています。 また、オリジナルの回路図に入っている、入力部の FM 放送対策用 LPF は省略しました。アンプ部の部品配置はバランスを考慮して対象配置を心がけました。汎用の穴あき基板を使用しているので、べたグラウンドの部分は銅箔テープを使っています。
差動部分のバランス調整
拙宅のロケーションでは、そこそこの強電界のため WSML アンテナを IC-R75 に接続すると下記のような受信レベルになります。
- KBS京都 1143kHz 10kW S9+50dB
- NHK京都第1 621kHz 1kW S9+40dB
- NHK大阪第1 666kHz 100kW S9+40dB
- NHK大阪第2 828kHz 300kW S9+40dB
このような状態では相互変調ひずみによって、あちらこちらにオバケが出現します。そこで、アンテナ・アンプのバランス調整を行い、この相互変調ひずみを可能な限り小さくする必要があります。
この調整は、おじさん工房の汎用実験基板APB-1のアプリケーションのひとつの、信号発生器を使った DSB 変調出力によって行ないました。
元々この DSB 変調出力は 2 信号特性を測定するものでは無いため、ある程度のスプリアスを含んでいます。今回の調整作業は IM3 の測定が目的で無いことと、手持ちの環境内で可能な範囲と割り切って IM3 のレベル調整ができればよいと考えました。
APB-1 の DSB 変調出力では出力レベルの調整ができません。この場合は外付けアッテネータを使用します。次の図は 20dB アッテネータを経由した出力です。
この出力を使って 3 次相互変調ひずみ(IM3)を調整していきます。
SG 出力を、即席の 20dB アッテネータとトランスを経由して WSML アンテナ・アンプに接続しています。
基板上のバランス調整用の VR を調整して、IM3 が最小になるポイントに調整します。
上記 4 局の放送周波数に対する相互変調の組み合わせと高調波周波数の表を作り、それぞれの受信レベルを IC-R75 を使って調べてみました。
バランス調整を行なった結果では IM3 は概ね低減できているようです。今のところ地元局の 2 次高調波がまだ大きい状態です。特に 1143kHz の KBS 京都はスーパーローカルなのでとても強力です。これは今後の課題です。
アンテナの設置状況
ループ・アンテナとアンテナ・アンプは、このように設置しています。アンプ部の雨除け用として 100 円タッパーを被せました。
参考
- WSML アンテナを開発された Chavdar さんのウェブサイト
Wideband Active Small Magnetic Loop Antenna - 福永さんによる、上記 WSML アンテナのドキュメントの翻訳版 PDF ファイル(福永さん、ありがとうございます)
広帯域アクティブ・スモール・マグネチック・ループアンテナ
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