ドックコネクタ接続のマイクを改造してUSBマイクにする方法
ステレオマイク TASCAM iM2 は、iPhone や iPad、iPod touch 専用の製品なので接続インターフェースはドックコネクタ接続になっています。このドックコネクタ経由でやり取りされる信号線には アナログオーディオ、ビデオ、シリアル、FireWire、USB、電源などがあります。
TASCAM iM2 の場合
- 製品内部では USB デバイスとして動作しているのではないだろうか?
- さらに、TASCAM iM2 には充電用の USB コネクタが付いています。これを使えばドックコネクタ経由の USB 信号線を外部に引き出すことなく間単に USB 接続できそうだ!
この改造の元アイデアは TT@北海道 さんです。
- やたっ!OSXからTASCAM iM2がUSB Audio Deviceとして見えた!!
- 改造はレギュレータ追加、USBの電源認識用の抵抗を外してウレタン線で配線。ちょっと動きが怪しいがちゃんとステレオマイクとして動作した
はじめに接続ヶ所を確認
それぞれの資料から、USB データポートのピン番号を調査します。
- CY8C3446LTI-073のデータシート
- Dock connectorの資料
USBデータポートのピンを確認
D+
: MCU 16 ピン、Dock connector 4 ピン、USB コネクタ 3 ピンD-
: MCU 17 ピン、Dock connector 6 ピン、USB コネクタ 2 ピン
電源ラインのピンを確認
USB コネクタのUSB 5V
は iPhone 充電用に使われており、TASCAM iM2 の動作電源は Dock connector 経由の3.3V
のようです。そのため、TASCAM iM2 を PC に USB 接続して動作させるには、この電源供給方法を Dock connector から USB に変更する必要があります。
5V
: USB コネクタ 1 ピン3.3V
: Dock connector 13 ピンGND
: Dock connector 1 ピン
配線作業
それぞれの信号線の接続ポイントを確認後、配線作業を開始します。
- USB コネクタ部 :USB 充電モード用の抵抗(
D+
,D-
間の抵抗)を除去。 - 電源部 :ツェナーダイオードと抵抗を取り付け。
- USB データポート :
D+
,D-
を UEW でバイパス。
今回の改造では、TASCAM iM2 の電源(3.3V)にツェナーダイオードHZ3C2 3.3V
を使用しました。iM2 の消費電力が90 mW
、ツェナー電流5 mA
から
抵抗Rは、$R=\frac{5V-3.3V}{5mA+27mA} = 53.125 \fallingdotseq 51\Omega$
改造完了後の実測では 3.4 Vになりました。
D+
,D-
の接続点は、TT@北海道 さんが改造されたのと同じように USB のダンピング抵抗に接続するのがいちばん作業しやすいです。
改造完了
TASCAM iM2 を Windows PC に接続して確認
使用環境:Windows7 64bit
USB 接続した iM2 を自動認識して、デバイスドライバがインストールされました。
デバイスマネージャで確認すると。USB オーディオデバイスとして認識されています。
実際にオーディオ入力として使ってみると USB マイクとして働いてくれています。
おまけに MIDI やスピーカが一緒についてきましたが、この機能は使うことができません。元々これらの入出力回路が iM2 に備わって無いので、追加回路無しでは使用できないと思われます。もしかすると他の製品ラインナップに同じ MCU を使った機種があるのかもしれませんね。
これで改造成功です、TT@北海道 さん、情報ありがとうございます。
2 件のコメント :
自分の所でもこのページを参考にしてパソコンとiM2を接続してみました。
大変有用な情報をありがとうございました。
以下、参考までに。
http://jikken.jp/audio/iM2/
たけぴょん さん コメントありがとうございます。 うまく動作されたようで良かったです。
コメントに気付くのが遅くてごめんなさい。
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