2014年11月26日水曜日

iPhone用ステレオマイク TASCAM iM2 をUSBマイクに改造

ドックコネクタ接続のマイクを改造してUSBマイクにする方法

ステレオマイク TASCAM iM2 は、iPhone や iPad、iPod touch 専用の製品なので接続インターフェースはドックコネクタ接続になっています。このドックコネクタ経由でやり取りされる信号線には アナログオーディオ、ビデオ、シリアル、FireWire、USB、電源などがあります。

TASCAM iM2 の場合

  • 製品内部では USB デバイスとして動作しているのではないだろうか?
  • さらに、TASCAM iM2 には充電用の USB コネクタが付いています。これを使えばドックコネクタ経由の USB 信号線を外部に引き出すことなく間単に USB 接続できそうだ!
この二つが改造アイデアに繋がっています。

この改造の元アイデアは TT@北海道 さんです。


はじめに接続ヶ所を確認

それぞれの資料から、USB データポートのピン番号を調査します。


USBデータポートのピンを確認

  • D+ : MCU 16 ピン、Dock connector 4 ピン、USB コネクタ 3 ピン
  • D- : MCU 17 ピン、Dock connector 6 ピン、USB コネクタ 2 ピン

電源ラインのピンを確認

USB コネクタのUSB 5Vは iPhone 充電用に使われており、TASCAM iM2 の動作電源は Dock connector 経由の3.3Vのようです。そのため、TASCAM iM2 を PC に USB 接続して動作させるには、この電源供給方法を Dock connector から USB に変更する必要があります。

  • 5V : USB コネクタ 1 ピン
  • 3.3V: Dock connector 13 ピン
  • GND : Dock connector 1 ピン

配線作業

それぞれの信号線の接続ポイントを確認後、配線作業を開始します。

  • USB コネクタ部 :USB 充電モード用の抵抗(D+,D-間の抵抗)を除去。
  • 電源部 :ツェナーダイオードと抵抗を取り付け。
  • USB データポート :D+,D-を UEW でバイパス。

今回の改造では、TASCAM iM2 の電源(3.3V)にツェナーダイオードHZ3C2 3.3Vを使用しました。iM2 の消費電力が90 mW、ツェナー電流5 mAから

抵抗Rは、$R=\frac{5V-3.3V}{5mA+27mA} = 53.125 \fallingdotseq 51\Omega$

改造完了後の実測では 3.4 Vになりました。

D+,D-の接続点は、TT@北海道 さんが改造されたのと同じように USB のダンピング抵抗に接続するのがいちばん作業しやすいです。


改造完了

TASCAM iM2 を Windows PC に接続して確認

使用環境:Windows7 64bit

USB 接続した iM2 を自動認識して、デバイスドライバがインストールされました。

デバイスマネージャで確認すると。USB オーディオデバイスとして認識されています。

実際にオーディオ入力として使ってみると USB マイクとして働いてくれています。

おまけに MIDI やスピーカが一緒についてきましたが、この機能は使うことができません。元々これらの入出力回路が iM2 に備わって無いので、追加回路無しでは使用できないと思われます。もしかすると他の製品ラインナップに同じ MCU を使った機種があるのかもしれませんね。

これで改造成功です、TT@北海道 さん、情報ありがとうございます。

2 件のコメント :

たけぴょん さんのコメント...

自分の所でもこのページを参考にしてパソコンとiM2を接続してみました。
大変有用な情報をありがとうございました。

以下、参考までに。
http://jikken.jp/audio/iM2/

babooshka さんのコメント...

たけぴょん さん コメントありがとうございます。 うまく動作されたようで良かったです。


コメントに気付くのが遅くてごめんなさい。